20090412|ひかりごけ|劇団四季  

Posted by niihar in

劇団四季の「ひかりごけ」の公演を観てきました。

「ひかりごけ」
2009年4月12日(日)14時開演
劇団四季 自由劇場

(出演者)

船長:日下武史
西川:中村 匠
八蔵:神保幸由
五助:高橋征郎(劇団民藝)

(あらすじ)

この作品は、1944年におきた北海道の知床岬で起きた事件である「ひかりごけ事件」をモチーフにしています。ひかりごけ事件については、Wikipediaが参考になります。

ひかりごけ事件 - Wikipedia

また、詳しいあらすじは劇団四季のサイトを参照ください。

劇団四季 作品紹介(ステージガイド) ひかりごけ

なお、お食事中の方には、食事を終えた後にお読みになったほうがよいかと思います。

(感想)

”生の意味を真正面から問う”画期的かつ衝撃的な舞台、というキャッチコピーに嘘はありませんでした。

この事件が発生したのは、今から65年前のことで、戦時中で連絡手段も無い中で「生き延びる」ことと「人間としての倫理」の狭間の葛藤や不安、そして疑心暗鬼になっていく船員達の様子が、舞台上で生々しく表現されていました。

演技面では、船長役の日下武史さんの迫力が凄まじく、圧倒されました。

「お前は食わねぇのか!」

という台詞が頭から、離れません。

また、舞台装置としては、ずっと変わらないわけですが、音響や照明などによって、知床岬にて絶望の中でもがき苦しむ船員達の暮らしぶりが、寒々しく、また非常に重苦しく伝わってきました。不思議なことに、段々と自分の頭の中で、船員達が過ごした小屋の内装が浮かび上がってきたんです。

現在の日本は、飽食の時代と呼ばれており食べ物は捨てるほどにあるわけで、ひかりごけ事件のような状況に遭遇することは、ほとんどないんだろうと思います。しかしながら、この作品を通じて、常識では判断が出来ないことが世の中には起こりうるという、当たり前だけれども忘れがちなことを考えさせられてしまいました。

This entry was posted on 2009年4月13日月曜日 at 22:40 and is filed under . You can follow any responses to this entry through the comments feed .

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