081130|55STEPS|劇団四季  

Posted by niihar in

11月30日に、劇団四季のミュージカル「55Steps」の公演を観てきました。

「55Steps」
2008年11月30日(日)
劇団四季 四季劇場[秋]

(出演者)

【ヴォーカルパート 男性】
阿久津陽一郎
高井 治
李 涛
【ヴォーカルパート 女性】
井上智恵
早水小夜子
花田えりか

【ダンスパート 男性】
西尾健治
萩原隆匡
松島勇気
徳永義満
斎藤洋一郎
岩崎晋也
脇坂真人
神谷 凌
厂原時也
【ダンスパート 女性】
中元美里
駅田郁美
杏奈
須田綾乃
柴田桃子
恒川 愛
坂田加奈子
高倉恵美
海野愛理
泉 春花

(あらすじ)

劇団四季が手がけてきた数々の作品の中から選りすぐりの音楽とともに、新たにアレンジをしたダンスによって、再構成された「まるでミュージカルの宝石箱」のような作品。

(感想)

この55Stepsは、劇団四季のホームページなどで「まるでミュージカルの宝石箱だ。」というキャッチコピーが使われています。このコピー、決して大袈裟なものではないと思います。

本当に宝石を散りばめたようなステージでした。

後述するYoutubeで公開されているプロモーション映像にもありますが、第1幕のラストを飾る「美女と野獣」のナンバーである「Be Our Guest」は圧巻。鳥肌がたちました。

あと、第1幕でいえば「ドレミの歌」もよかったなぁ。THE SOUND OF MUSICからの曲で、幼稚園で教わるこの曲ですが、観客を巻き込んだとっても素敵な演出がありました。これはネタばれするので詳しくは書きませんが、教育テレビ風の演出でこれでもか!、これでもか!というくらい幸せな感じでした。

第2幕は、昭和3部作の名曲から始まりました。3部作を知っているヒトにはたまらないですねー。ただ、ちょっとリサイタル的な雰囲気もあって、1幕と同じような雰囲気を求めるとツライかも。曲のよさを楽しむっていうところに重きをおいたほうがいいですね。

あと、55Stpesの特筆すべき点は演出が、浅利慶太氏ではないところ。劇団四季の演劇やミュージカルはほとんどすべての作品で、浅利氏が演出しています。しかし、この55Stepsは加藤敬二氏が手がけています。この加藤氏は、55Stepsの前身である「ソングアンドダンス」、「ソングアンドダンス2」でも演出を担当しており、今回で3回目。

正直なところ、荒削りな部分もあって他の作品には無い感じが随所にありました。それを違和感というのかも知れませんが、好印象のものもあればそうでない部分もいくつかありました。

劇場で販売されているパンフレットの中で、浅利氏も書いていましたが、

「劇団四季は既に浅利慶太だけで動かしているわけではない」

という名のとおり、新たな息吹を感じた気がします。ちなみに、余談ですが現在の劇団四季の公演は初演以外の作品については各公演毎に「演出委員会」という組織が存在しており中堅の役者が、ほぼ舞台リハーサルが出来るレベルまで演出を仕上げることが可能な仕組みが出来ているのだそうです。

確かに日本全国で公演をやっているわけで、そのような仕組みがないと回らないでしょうね。

ただ、この55Stepsは野球で例えるならばオールスターゲームなわけです。そうではない、ミュージカルや演劇については未だに浅利氏の演出がなされているわけです。それを問題というのか、むしろ劇団四季とは浅利氏演出のものだと割り切ってしまったほうがいいのか。

部外者にしては、余計なことかもしれませんが劇団四季の将来について思いをめぐらしてしまう、そんなことを考えながら、55Stepsを観ていました。

ちなみに、この公演は再演とか無いと思います。同じような企画があったとしても、違う演出がなされるはず。オールスターゲームですから。その時に最高のパフォーマンスを提供するのが、ソングアンドダンスだと思います。公演は、2009年3月29日まで。3月分のチケットは来年1月17日から一般発売ですので、気になる方は是非!

(Youtubeの映像)

YouTube - 劇団四季『55ステップス』プロモーション映像

081123|解ってたまるか!|劇団四季  

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劇団四季の「解ってたまるか!」の千秋楽公演を観てきました。

「解ってたまるか!」
2008年11月23日(日)
劇団四季 自由劇場

(出演者)

村木明男(ライフル魔) : 加藤敬二

【捜査本部】
瀬戸内(警視庁刑事部長 捜査本部長) : 山口嘉三
武田(警視庁捜査一課長 捜査本部副部長) : 池田英治
春野(麻布警察署長 捜査本部副部長) : 岡田吉弘(劇団昴)
熊谷(警部補) : 牧野公昭
力石(警部補) : 朝隈濯朗
平澤(警部補) : 香川大輔
絹川(巡査部長) : 藤川和彦
和田(巡査) : 高草量平(劇団昴)
【報道班】
明石(中央新聞記者) : 青羽 剛
倉持(東京経済新聞記者) : 鈴木 周
反野(東方新聞記者) : 田島康成(劇団昴)
【文化人グループ】
後藤則彦(大学教授) : 川地啓友
山中俊夫(弁護士) : 勅使瓦武志
大濱 茂(映画監督) : 田代隆秀
久田川順平(劇作家) : 岡崎克哉
【人質】
奥澤(綽名ヘッピリ) : 坂本岳大
甘粕(綽名オーアマ) : 田中廣臣
栗林(綽名ボヤキ) : 福山廉士(劇団昴)
関山(綽名カレススキ) : 神保幸由
結城(綽名ユダ) : 芹沢秀明
政子 : 中野今日子
光枝 : 佐和由梨
静 : 新子夏代
【ホテル関係者】
鈴木(支配人) : 井上隆司
内田(ルームサービス係)/シューベルト(ドイツ人) : 畠山典之

(あらすじ)

舞台は、一流ホテルのハイクラスの一室。ライフル魔・村木は、12人の人質をとり立てこもり、大量のダイナマイトを部屋に仕掛けて、警察と徹底抗戦をしている。自らの犯罪を

「社会的正当防衛である」

と訴える村木に、周囲は翻弄されるばかり。

「冷たい世間よりもこの部屋の方がよほど安全で平和だ」

村木の言葉に人質たちもだんだん説得され、村木を頂点とした奇妙な仲間意識が生まれてきます。
そのような中、なぜだか新聞記者やテレビ取材班が部屋にやってくる。警察はやってこないのに。人質救出にはあまり興味がないマスコミたち。トクダネを狙って、記者同士で互いに牽制したり足を引っ張ったり。。。

(感想)

まず、何よりもびっくりしたのは自由劇場の隣で上演している「55 STEPS」の構成、振付、演出の加藤敬二さんが、主役として出演しているところ。「55 STEPS」は大丈夫なの?と声をかけたいくらいでした。
(補足:次週に観に行った「55 STEPS」では感動のあまりウルウルしてしまいました。)

劇団四季 作品紹介(ステージガイド) 劇団四季ソング&ダンス~55STEPS~

気を取り直して、「解ってたまるか!」の感想ですが一言で言えば、ライフル魔 村木(加藤敬二)の独壇場ですね。あまり世間のことは知らないけれども、妙に説得力があり真実を述べているように聞こえる村木の台詞はとても魅力的でした。

果たして、村木の話している内容が真実なのか、単に口調が説得力があり自信に満ち溢れているから真実を語っているように聞こえるのか、はたまた村木に翻弄される人質や警察、報道関係者の姿から、観客である自分自身も翻弄しているのか、解らないけれどもとにかく笑わせていただきました。

ただ、ひとつ気になるのは「解ってたまるか!」というタイトルかなぁ。もう少しいい題名があったような気がする。劇の途中で、なんでこのタイトルとしたのか理由がわかるので、ある意味スッキリはしてるのですが、この劇自体の魅力を果たして引き出しているのだろうか。

もっと言ってしまえば、タイトルの「解ってたまるか!」からはどんな劇なのか「解らない」わけです。面白いストーリーなだけにもったいない。

2008年12月21日から2009年1月11日まで、京都劇場で公演されるようです。

って、加藤敬二さん、55 STEPSは??

p.s. Youtubeで沢山、映像をアップされてます。こちらも要チェックですー。

(Youtubeの映像)

YouTube - 劇団四季『解ってたまるか!』出演者からのメッセージ

YouTube - 劇団四季『解ってたまるか!』コマーシャル

YouTube - 劇団四季『解ってたまるか!』稽古場レポート

 

(劇団四季のホームページのコラム)

『解ってたまるか!』東京公演が千秋楽を迎えました

11月3日、『解ってたまるか!』東京公演が開幕しました

「いるいるこんな人」――思わず吹き出す『解ってたまるか!』 まもなく開幕!

爆笑喜劇『解ってたまるか!』まもなく開幕![動画追加]

東京観劇レポート